今でも思い出す愛くるしいアイフル犬!このCMで好感度が上昇した

アイフル犬を知っている世代はもう30歳代以上でしょうか。アイフル犬は2002年から俳優や女優と共にTVCMに出演し、アイフルのイメージを大変柔らかいものにしました。犬はチワワが使われ2006年の過酷な取り立てなどの被害者による苦情申し立てに端を発したCM全面停止まで放映されていました。それまで消費者金融のCMなど覚えている人はいなかったのですが、アイフル犬のCMは同時期に放映されていた若手女優のCMと共に今でも印象に残っている人も多いはずです。

なぜ消費者金融は柔らかいイメージを求めたのか

消費者金融はサラリーマン金融と呼ばれていたころから、厳しい取り立てなどであまり良い印象を持たれるような会社ではありませんでした。店舗も殺伐とした雰囲気で、入るのにも勇気がいるような場所だったのですが、サラリーマン金融も企業である以上、利用者を増やし、事業規模を大きくしていきたいと考えたわけです。そこで、いろいろ検討したすえイメージ戦略を立てます。まず行われたのが、窓口を使わなくても申し込める自動契約機の設置と店舗自体を改装してクリーンなイメージにしました。

CM1つでイメージが変わる

この自動契約機で利用者は急激に増えましたし、店舗も入りやすくなりました。しかし相変わらず従来の暗いイメージは払拭できませんでした。そこで今度はCMを使うことが考えられます。まず他の消費者金融が若手女性タレントを使ってさわやかでフレンドリーなイメージのCMを流し始めます。このCMは好感度抜群で、その消費者金融だけではなく消費者金融業界全体のイメージの改善に役立ったとされています。そこでアイフルでもCM戦略が練られます。

若手女優と動物

利用者を増やすためには従来利用の少なかった女性を引き込むことが必要です。そこでまず女性の好感度を高めるために放映されたのが冒頭のアイフル犬のCMです。アイフル犬が男性俳優相手に愛嬌をふりまくわけです。見ているだけで和やかな気分にさせられます。そして更に柔らかいイメージを作るために若手女優を使ったCMが流され、後にこのアイフル犬と若手女優が絡むCMも制作されるようになりました。このCMの効果でアイフルは大変良いイメージを作ることが出来たのです。

戦略は失敗

イメージ作りはうまくいったのですが、業務においてアイフルは大きな失敗をします。サラリーマン金融と呼ばれていたころは延滞するようになると、怖いお兄さんを使って厳しい取り立てを行う事が良くありました。しかし上場しようかと言うほど事業規模が大きくなると、社会的責任も問われることになるためこのような取り立ては行われないようになるものです。しかしアイフルはこのCMが流れ始めた当時になっても、まだこのような取り立てを行い業務停止処分を受けます。作り上げたイメージは失墜したわけです。

現在では動物を使ったCMは流されていません

アイフル犬にもう一度会いたいと考えている人がいるかどうかは知りませんが、現在ではお笑い芸人を使ったCMが流されており、イメージ戦略を考えているようには見えません。もはやイメージを変化させるような必要が無いほど消費者金融が市民権を得てきたということなのでしょうか。今後は、企業論理を追究して利益を求めるあまり以前のような体質に戻って、せっかく得た市民権を失ってしまわないようにして努力してほしいと思います。

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